二尺山女 その2
 
2014年6月1日

子吉川 桜鱒
バンブースぺイロッドの取り組みの
最後の締め括りの釣りでのお話です。


5月末日
川に到着すると
仙台のプロショップSTORKのスペイ桜の仲間がすでに到着していました。

私はその日
朝早起きをして竿作りの作業をしてから
自宅を出発してきたので
少々寝不足状態でした。

皆さんは前夜祭と言う事で河原で夜お酒を飲んでいましたが、
私は失礼をしてお先に寝床に入りました。


解禁日6月1日の早朝
道具(自作の竹竿)を準備して狙っていたポイントに入ります。

周りが明るくなってきたころにキャストを開始
数キャストしてステップダウンを繰り返していると?

下流にルアーマンが入って来ました。
そのルアーマン
なんと、上流に釣り上って来ます。

私は釣り下っています。

ここが怪しいな?と思っていたピンポイントの前で
ルアーマンとバッティング、

ルアーの人、なんと、斜め上流にルアーをキャストしてきます。
フライは斜め下流にキャストして
フライをスイングさせる釣り方です。
下流に人が入ると釣りが不可能になります。
しかも、ルアーの人は斜め上流にルアーをキャストしているし?

私としては、もうどうにもなりません、お手上げです。
ルアーの人、そのポイントで2尾、サクラマスをキャッチしました。

混雑している釣り場ではフライは弱いです。
他の釣り方に負けてしまう!
釣りその物が不可能になる場合が多いです。

私は、諦めて車に戻り
飯を食って仮眠

午後に目が覚めて車から這い出て川を見てみると
ポイントが空いています。
これを狙っていたのです。

道具を準備して川に、

まずはインタミのラインでランを釣り下ります。
他にはフライの仲間のM君
他にルアーマンが2人
同じランに入っています。

皆さんマナーが良くキャストしてはステップダウンの釣り下りをしています。
釣り場を皆でシェアー出来ています。
皆さんが同じようにキャストして釣り下りをすれば
同じポイントで複数の釣り人が仲良く釣りが出来ます。

立ち止っって河原の杭になる人や
釣り上る人がいると
ぶっちゃけ邪魔です。

一回目の釣り下りは何も起きず、

上流のランの始まりに戻り
フライを交換
ラインはタイプ2にチェンジ

釣り再開

この辺が怪しいんだよな?
と言う所に差し掛かり
2回目のキャストの時
スイングするフライにグン!とアタリ
山女をウエットで釣る時とそっくりのアタリの出方です。

掛かった魚が走ります。
桜だ!確信を持ちました。
何度か走られて
無事にネットイン、

近くで釣りをしていたM君に記念写真を撮ってもらいました。

これぞ子吉川のサクラ
って感じの鰭のとがった綺麗な櫻でした。
 
本流の尺オーバー山女
本流でウエットの釣りをしていると
かなりの頻度で釣れてきます。

狙っているのは2尺山女なのですけどね?
 
魔性の魚

2016年の大型台風で川が滅茶苦茶に壊れる前の閉伊の本流、
仕事を終えてイブニング狙いで閉伊の本流に行った時の話し

その日は大型のメイフライの乱舞する日で
頭上にはオスのメイフライが群飛していました。

川の方は、
河原に立って眺めていると
時々、単発で桜鱒がライズします。

フライを何にするか?ラインを何にするか?
色々試しながら釣るも
全くアタリ無し

そうこうしているうちにライズは完全に止まりました。


薄暗くなってからのワンチャンスかな?
キャストを辞めて休憩、時間待ち、


夕方、薄暗くなってきてからラインとフライを変えて
最後の一流し、
一通りランを下るも何も起きず、

んんん~~~?
考え込んでしまいました。

川に立ち込んで悩んでいると
足元に流木が絡みついてきました。

足を動かして振り払おうとしますがその流木は足に絡みついて取れません、
何だよ~鬱陶しい!と思い、足元を覗きこむと

足元に60センチくらいのサクラ鱒が泳いでいました。
そして時々私の足に体をぶつけて絡みついてきます。

鱒だ!

私は息をのみ
しばらくの間、じっと体を動かさずその場に立っていました。

鱒は数分間私の足元に居てジャレついていました


数分後

突然、ビクン!と震えたかと思うと
ビューンと泳いで行ってしまいました。


本州に上って来る桜鱒の殆どは雌です。
雄は殆ど居ません、



手作りジャングルコック

櫻鱒の釣りをする皆さんにとって悩みの種、ジャングルコック、
どうにかならないものかと色々とやってみました、

それで行きついたのがこの方法、

ジャングルコックの目玉模様の無い所のハックルに
車の傷修理用のタッチペンで色を塗ってみました。

想像以上に良い出来です。

完成したハックルを一晩、水につけておいてみました。
何の問題も無かったです。
この方法だと写真のように他のハックルにも使えます。

また、塗り付ける色も他の色でも構わないと思います。
赤い目玉とか?
金色の目玉?
他にも色々考えられますね!

2020年2月



釣り場でお互いに摩擦を避けるために、
我々のようにフライフィッシングでサクラマスを狙う釣り師は
昔、エサ釣りやルアーをやっていた事のある人が多く
ルアーや餌でサクラマスを狙う時はどのようにするかを解っている場合が多いです。
でも、ルアー師やエサ釣り師は、
フライでサクラマスを狙うと言うのがどのような物なのかを全く知らない場合が多いです。
その為に釣り場で摩擦が生じてしまっています。

ですので、
この場をかりてサクラマスのフライフィッシングについて大雑把にですが説明をしたいと思います。

まず、基本的にフライでは斜め下流にフライをキャストして扇型にフライをスイングさせて
サクラマスがテイクするのを待つ釣りです。
これが基本の大原則です。
それと、ルアーのように引っ張りの釣りではありません、
糸を固定して川の流れを利用して扇型にスイングさせての釣りです。
真横に投げたりアップサイドにキャストしたりはしません
ですので下流に他のスタイルの釣り師が入って来ると
我々フライは釣りが不可能になります。
それでも、ワンキャストごとに釣り下ってくれる釣り師ならば
同じランに入って仲良く釣りする事が出来ます。
その場に立ち止って杭になったり、上流に釣り上る釣り師に下流に入られると
我々はお手あげです。釣り不可能になります。


ハイウォーターの季節はルアーの人と同じように
威嚇でフライにテイクさせる場合が多いです。
ルアーと同じくらいの大きさのフライで釣りをします。
もしくはルアーと同じで魚の形をしたフライにテイクさせます。

ただ、フライラインと言う太いラインが付いていますので
ルアーのように同じ所で何度もキャストしたりはしません
キャストしたら釣り下る
何度も同じ所で投げていると何度もフライラインが魚の上を通り
フライラインを警戒されるから、です。


フライの釣り方が大きく違ってくるのは
ローウォーターになってからの季節です。
ルアーの場合は魚の目の前に何度もルアーを通して魚をイライラさせて
威嚇で噛みつかせたりしますが
フライではそう言う釣り方はしません、

まず河原に行って周りを観察、直ぐに竿をっ振ったりはしません、
飛んでいる虫や太陽の光、風の具合などを見ます。
魚がいるであろう場所を観察して
虫がハッチする時間を待ちます。
虫がハッチして、魚がリラックス状態になり
魚が虫に対してライズするのを待ちます。
それから、その時に飛んでいる虫に合わせたフライを選び
使用するフライラインを選びラインを交換
リーダーをセット、フライを結ぶ

そして実際の釣りはほんの数キャストで勝負がつきます。
魚がリラックスしているところにフライを送り込み魚がそれに反応するかどうか?

失敗すれば魚が警戒態勢に入りその日の釣りは終わり、


よく、フライ師が河原に座って竿も振らないでただ川を眺めているのを見ますが、
それは、場所取りをしているのでもなく、休憩をしているのでもなく、
釣りをしているのです。
観察をする事、それもフライでは釣りの一部です。

これは、良くありがちな話なのですが、
我々フライ師が河原に立って竿を振らずに魚がリラックスしてライズをするのを待っている時に、
おもむろに対岸にルアー師が現れて
我々が竿を振っていないのだから、良いだろう、とばかりに、
マシンガンキャストを始めてしまう、
魚は警戒態勢に入ってしまい
フライでのその日の釣りはオジャン、おしまいになってしまいます。


それと、ルアー釣りやエサ釣りと大きな違いが一つあります。
これは他の釣りとの最大の違いです。
それはフライはフライキャスティングをしなければならないと言う事です。
オーバーヘッドキャストの場合は後ろに広いバックスペースが必要ですし、
スペイキャストの場合は後ろのスペースはさほど必要が無いですが、
水面を使ったキャストになる為に川に立ち込む必要があります。
ですので、フライの場合は釣りが出来る場所が限られてしまいます。
ルアーや餌で何の問題もなく釣り可能な場所でも
フライでは釣りが不可能なポイントである場合が多いです。
釣りが可能なポイントはフライの人にとっては貴重な数少ない釣り可能なポイントです。
その辺の所を配慮して頂けるとありがたいです。



ルアー、餌、フライ、
それぞれが釣り方が違うと言うのを理解して
釣場ではお互いに気配りして、
極力摩擦が生じないように気持ちよく釣りをしましょう、


(2022年5月)
 
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